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“ひとり”にしない居場所を。福岡県内唯一の社会的養護自立支援拠点『そだちの木』

福岡県内唯一の「社会的養護自立支援拠点事業」を視察しました

このたび、筑紫野市二日市に開設された「社会的養護自立支援拠点事業」の拠点を視察しました。

社会的養護自立支援拠点事業は、児童養護施設や里親家庭などで生活した経験のある若者、家庭に頼ることが難しい若者、一時保護や支援の経験がある若者などが、社会に出た後も孤立しないよう、生活・就労・法律・心理面などを総合的に支える事業です。

令和7年4月1日時点で、全国では57自治体・63か所で実施されており、福岡県内では二日市の拠点が唯一の実施場所となっています。

今回視察した拠点では、主に高校生から20代前半の若者を対象に、相談支援や居場所づくり、関係機関との連携支援などが行われています。6月には、同じく高校生から20代前半を対象とした子ども食堂も開設予定とのことです。

制度の狭間に置かれる若者たち

お話を伺う中で特に印象的だったのは、「小中学生までは学校や地域の大人の目が届きやすい一方で、高校生以降になると支援の網からこぼれやすくなる」という現場の声でした。

高校は義務教育ではないため、不登校、通信制高校、中退、就職、寮生活、一人暮らしなど、若者の状況は一気に多様化します。その一方で、相談できる大人や継続的に見守る仕組みは少なくなりがちです。

実際の相談内容も、就労の悩みだけではなく、住まい、家賃、借金、督促、メンタル不調、食事、孤立など、生活全体に関わる深刻なものが多いとのことでした。

中には、ネットカフェや友人宅を転々としている若者、公園で寝泊まりする若者、仕事を辞めたことで住まいを失う若者もいるそうです。

「助けて」と言える、つながれる場所を

現場では、若者からの相談は電話よりも、LINEやInstagramのダイレクトメッセージなどが多いとのことでした。

しかし、担当者の方は「SOSを出せる子はまだよい。声を上げられない子の方が多い」と話されていました。

これは非常に重要な視点です。

本当に支援が必要な若者ほど、自分から相談窓口に行くことができなかったり、困っていることを言葉にできなかったりします。だからこそ、相談窓口を設けるだけではなく、若者が安心して立ち寄れる居場所や、信頼できる大人との関係づくりが必要です。

筑紫野市にとっての意義

筑紫地区は、児童養護施設や社会的養護に関する支援資源が多い地域とは言えません。その中で、福岡県内唯一の社会的養護自立支援拠点が二日市に設置されたことは、筑紫野市にとって大きな意味があります。

筑紫野市には、大学や専門学校に通う若者も多く、また福岡市や太宰府市、春日市、大野城市など周辺地域との行き来もあります。若者支援の拠点として、今後さらに重要な役割を担う可能性があります。

行政、学校、児童相談所、福祉関係機関、地域団体、民生委員・児童委員、自治会などが連携し、若者が孤立しない地域づくりを進めていくことが必要です。

若者を「支援される存在」だけにしない

今回の視察を通じて感じたのは、若者を単に「支援される側」として見るのではなく、地域の中で役割を持ち、人とつながり、自分らしく生きていける環境をつくることの大切さです。

食事の支援、生活相談、就労支援、法律相談、心理的支援はもちろん大切です。

同時に、

  • 安心して過ごせる居場所
  • 信頼できる大人との関係
  • 同じ経験を持つ若者同士のつながり
  • 地域活動や就労体験への参加
  • 困った時に何度でも戻れる場所

こうした仕組みが、若者の孤立を防ぐ力になります。

今後に向けて

筑紫野市としても、この拠点の存在を地域の中でしっかり共有し、必要な若者が支援につながれるよう、行政や関係機関との連携を深めていく必要があります。

特に、高校生から20代前半の若者は、子ども支援と大人の福祉制度の間に置かれやすい世代です。

「18歳を過ぎたら自己責任」ではなく、社会に出るまで、そして社会に出た後も、孤立しないよう支える地域づくりが求められています。

今回の視察を通じて、筑紫野市における若者支援の重要性を改めて実感しました。

今後も、子ども・若者が安心して暮らし、自分の未来をあきらめずに歩んでいけるまちづくりに取り組んでまいります。

 

春口あかね

 

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