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12月 定例会 一般質問

題目 SDGs推進について

[解説]

SDGsは、2015年の国連サミットで採択された、2016年から2030年までの15年間に達成すべき17の目標と169のターゲットからなる持続可能な開発の枠組みです。これは、MDGs(ミレニアム開発目標)の後継として位置付けられ、達成のためには全世界的な協力と努力が必要です。

SDGsは、貧困、不平等、環境問題など、様々な課題に取り組むための包括的な取り組みです。しかし、戦争や環境破壊などの要因が進行を妨げています。また、消費行動においても、安価な商品を購入しては捨てることが、地球資源の無駄遣いとなります。さらに、水資源の過剰利用や、児童労働の増加など、持続可能な未来に向けた課題も見逃せません。

日本でも、ジェンダーギャップの指数が高く、女性のキャリア形成が制約される状況や、育児支援制度の不十分さが課題となっています。また、気候変動による自然災害の発生頻度も増加しており、これらの問題への対処が急務です。

SDGsの達成には、国や地方自治体だけでなく、個々の市民や企業の取り組みも不可欠です。地方創生SDGsの推進や、学校や企業における取り組みが、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となります。

項目1: SDGsは誰がすべき課題か

[質問]

SDGsの達成は国の総合戦略と深く関連しており、筑紫野市も第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しています。人口減少に対処するため、2035年までは人口増加が見込まれますが、その後は人口減少と高齢化が進行し、社会保障費の増加や労働人口の減少、担い手不足が深刻な課題となります。

この状況を踏まえ、安心して子育てや働きがいのある環境づくりが重要です。また、農業の振興やAI、IoTの活用、Society5.0の実現などが、将来の持続可能な社会を築く上で欠かせない要素となります。

項目2: 現在SDGsの取り組みとして行っているまち・ひと・しごと創生総合戦略の具体的な課題は実現したのか

令和5年度までのまち・ひと・しごと創生総合戦略の創生総合戦略の重要業績評価指標(KPI)について、SDGsの課題にも関連する重要な項目が50%以下の達成率や実績が極端に少ない場合、特に農業を担う人材育成や異文化理解の促進、地域開発プロジェクト、待機児童解消、交通手段改善、地球温暖化対策、NPOやボランティア活動の推進などの課題に焦点を当てています。

これらの課題に取り組む際に、未来を想定して現在の行動を計画する手法(バックキャスティング)を活用したのかどうか。

項目3: SDGsは今後のまちづくりにどのように反映されるのか

人口減少が危機とされる要因は、労働人口の減少です。人口を維持するためには、合計特殊出生率が少なくとも2.07を維持する必要があり、 労働人口の減少は現在の社会保障体制の持続性を懸念する要因となります。労働力の減少を補うため、女性や次世代の子どもが支援に参加することが重要とされています。過去30年間では、女性が出産や育児、社会進出を担うことが強いられてきました。 妊娠や育児により働く時間が減ることに対する偏見やマタニティハラスメントには、約40%の人が経験しています。 同様に、男性も仕事と家庭の両立を余儀なくされ、イクメンという言葉が一人歩きしました。

結果として、個々の生活とキャリアを両立させるため、子どもを持たない選択が増えています。 この人口減少は、長時間労働も一因とされています。

そのため、生産性を重視し、短時間労働で給与を確保する企業や、地域別最低賃金の平均が全国の加重平均額1004円以上の企業、 女性管理職の割合が5割以上の企業、ウェルカムバック制度を導入した企業(社員を再雇用する制度)、男性育児休暇を100%取得する企業、 環境配慮型の企業が重要視されるべきです。

これらの取り組みを推進する企業にSDGsの達成に向けたメリットを与えるべきだと考えます。

SDGsの達成には、官民連携のパートナーシップが重要であり、今後、積極的にSDGsに取り組む企業が増えると想定されます。 地域事業者にとって、取り組みの可視化がますます重要になるでしょう。

国は地方創生のため、地方創生SDGsの「宣言」「登録」「認証」の3つを提示しています。 これにより、事業のSDGsへの取り組みが認知され、補助金の優遇や金融支援の拡大などのメリットが期待されます。

福岡県でも、SDGs登録制度を導入し、競争入札参加資格審査における優遇措置を実施しています。

項目4: 地域でSDGsの活動をしている団体への補助金交付と登録制度を設けては

地域でSDGs活動を行っている団体への補助金交付と登録制度を設けてはどうでしょうか?

この制度を活用して、本市でも地域でSDGs活動を行っている団体への補助金交付と登録制度を設け、地域経済、社会的発展や環境問題対策を促進することはいかがでしょうか?

SDGsの官民連携においては、徳島県の事例では包括連携企業などがSDGs出張授業を学生に行っており、パートナーシップのさらなる強化に取り組んでいます。

項目5: まち・ひと・しごと創生総合戦略では、高校や大学との連携も進められていますが、市内の学校のSDGsの取り組みに本市はどのように関わるのか現状も踏まえお伺いします。

項目6: SDGsの推進を総括するためには、連絡会の設置や市民・職員向けの勉強会が必要だと考えますが、いかがでしょうか?

項目7: 地方創生交付金の活用について

地方創生交付金の活用に関する見解は、前回は御笠自治会のバス運行に申請されたということです。まちづくりにおいては、さまざまな交付金が活用できる可能性があると考えています。

地方創生交付金支給事務実施要綱によれば、申請書の提出期限は令和5年6月22日に告示され、同年11月30日でした。

今回の給付金の周知はされていますでしょうか?今後のまちづくりの展望と交付金の活用方法について、お伺いしたいと思います。

[答弁]

2015年の国連総会で採択された持続可能な開発のための2030アジェンダにおいて、全ての国や利害関係者(ステークホルダー)がこの計画を推進することが示されています。

まち・ひと・しごと創生総合戦略の進捗ですが、待機児童対策などの子育て支援や環境に関する政策は概ね良好に推移しています。しかし、生涯学習やイベント開催が主となる取り組みでは、計画期間の大半がコロナ禍に見舞われたため、目標に達成していない部分もあります。これらの課題解決のために、バックキャスティングを考慮したのかという質問ですが、総合戦略やまち・ひと・しごと創生総合戦略の基本事業には、それぞれ目標数値や目指す姿を設定し、実現に向けてさまざまな事業に取り組んでいますので、バックキャスティングが盛り込まれていると考えます。

次にSDGsを今後どのようにまちづくりに反映するのかに対して、第7次筑紫野市総合計画審査特別委員会においても示しさせていただいている通り、街づくりの指針となる筑紫野市総合計画の28の政策の全てにSDGsとの関係性を示し、それぞれ推進を図ることとしています。
次にSDGsに関連する活動を行っている団体への補助金や登録制度についてです。

SDGsに掲げられた17の目標は、関連する政策、対象者、取り組みの規模や範囲が広範であることから、総合計画に掲げるそれぞれの政策に進める際には、必要に応じて政策ごとに検討すべきと考えています。

次に学校におけるSDGsの取り組みについてです。本市では、市内の学校が行う総合学習などに市職員を講師として派遣し、環境問題やコミュニティ政策などに関する教育活動を推進しています。
次に、SDGsを推進する組織についてです。先ほど申し上げました通り、SDGsに掲げられた17の目標は、関連する政策、対象者、取り組みの規模や範囲が広範にわたっていますので、まずは、総合計画に掲げる各施策を持続可能な開発目標に留意しながら進めることが重要であると考えています。

次に、地方創生推進交付金につきましては、制度改正により令和4年度第二次補正予算からデジタル田園都市国家構想交付金へと移行していますが、各種政策の推進に対し新たな交付金の要件等に見合うものがあれば積極的に活用を検討してまいりたいと考えています。

[再質問]

項目 2: コロナ禍による影響で到達できなかった目標について、イベント開催ができなかったために達成できなかったという認識でよろしいでしょうか?

[答弁]
今後の取り組みに関しては、第7次筑紫野市総合計画の施策ごとに基本事業ごとに目指すべき姿を掲げています。そのため、これを実現するための最適な手法を毎年度の予算編成の中で検討し、実施してまいります。

[再質問]


もともと基準値が低い目標に関しては、目標達成に向けて着実に進めてください。

次に、項目3について再質問させていただきます。第7次筑紫野市総合計画審査特別委員会においてSDGsとの関係性が示されているとの答弁でしたが、目標の上にSDGsのマークがあるだけでは、SDGsがどのように推進されているのか分かりません。関係性を示しただけでは、SDGsを行っているとは言えません。あくまでSDGsの推進についての質問ですので、SDGsの1〜17の項目で本市が何が不足しているのか、特に国が改善が必要だと示している3つの項目、賃金格差の是正、女性の政治参画、気候変動対策について、世界の基準に追いつくためにはどのようにすればよいかについて、具体的な答弁をお願いします。これらがまちづくりにどのように反映されるかについても具体性を持った答弁をお願いします。

[答弁]

まず、SDGsの推進は国や自治体を含むすべての利害関係者が取り組むべき課題でありますので、国や自治体をはじめ、あらゆる企業や個人がそれぞれの立場から取り組む必要がございます。また、SDGsは目標を示したものであり、第7次総合計画の政策目標と重なる点が多くあります。ご質問の賃金格差や女性の政治参画については、SDGsに掲げる開発目標1の貧困をなくす、または開発目標5のジェンダー平等などが関連しておりますので、本市では、総合計画のセーフティネットの推進や人権尊重のまちづくりなどの政策の中で取り組んでまいります。気候変動についても、総合計画の循環型脱炭素社会推進などの政策の中で目標を持ち、具体的な取り組みを進めてまいりたいと思います。

[再質問]

項目4: の再質問ですが、SDGs登録制度についてです。サービスを提供する側と受ける側、商品を販売する側と購入する側の両方が意識を持つことで、いわゆるエシカル消費がSDGsの推進につながっていくものと考えられます。登録制度によって可視化されることで、SDGsの推進が非常に効果的で理解しやすい制度となると考えられます。県が行っている登録制度を導入すれば、すぐにでも実現可能だと考えますが、いかがでしょうか?

[答弁]

県の登録制度は、SDGsの普及と啓発を目的として行われていますので、国や県の動向を踏まえながら、市民や事業者などに周知を図ってまいりたいと考えています。

[再質問]

SDGsの本質を理解し、他者と自分という概念から私たちへの変化が、どのようなあり方で世界と関わり、街づくりを進めていくかは、国や県のレベルではなく、すべて個人のレベルで実現可能です。ですので、自分ごとになってからではなく、SDGsに掲げる枠にとらわれないトランスフォーメーション(変革)という観点から、市全体での周知と啓発をお願いいたします。

こども家庭庁について

今年度、2023年4月1日に発足されたこども家庭庁は、各省庁で行われてきた縦割り行政による弊害を解消し、是正し、こどもに関する政策をまとめて行う目的で設置されました。その背景には少子化、こどもの貧困、虐待、いじめなどがあり、こどもの権利保障や福祉向上を目指しています。

同時にこどものための法律、こども基本法が施行され、こども真ん中社会の実現を目指しています。

こども基本法の施策には第9条から第16条までがあり、第10条にはこども大綱の勘案が記されています。

また、こども家庭庁は必要に応じて他の省庁に施策の改善を求める勧告権を持っています。

筑紫野市では、市民会議が訴えていたこども部の創設案が示されました。

こどもの人権を尊重する追い風になると思っておりますが、こども家庭庁をどのように活かすかについて

項目 1: こども基本法を市政にどのように反映させるかについてお伺いいたします。

また、第11条には、こども及び養育者の意見を反映させる旨が記されています。

例えば、パブリックコメントを広報等で設置する、若者理解等の案がありますが、

項目2: 本市はこどもの意見をどのように聴取するのかお伺いいたします。

また、こども家庭庁が掲げる切れ目のない支援についてですが、妊娠期からおおよそ小学校入学前まで求められております。

特に妊娠期、産後1年間の伴走型支援では、産後ケアが求められています。

社会的孤立は、自己からの阻害や自己認知不全、生きる意欲や働く意欲の低下により、社会的サポートとの繋がりを断つリスクを生みます。

孤立の対象を遅らせることで問題が深刻化し、社会保障費などの個人の問題では済まない社会の課題となっております。

産後の死因のNo.1は、産後うつによる自殺と言われております。

核家族化が進み、コミュニティが希薄化し、母子カプセルと言われていた頃から長年、産後ケアが求められていました。

自治体においては、他市町村に里帰りしていても他の市町村の産後ケアの施設と個別に契約し利用できるケース、

県内の市町村であればどこでも利用できるようにしているケース、他市町村から里帰りに来ている方に対しても、自分の市町村の産後ケアを利用できるようにしているケースなど、里帰りしている妊婦にも認められるような工夫を凝らす例もございます。

産後うつは、一人でいる時間の確保、社会的孤立からの脱却、日光を浴び適度の運動ができることで解消できると言われておりますが、

項目3: 切れ目のない支援、伴走型支援について今後どのように考えているのかお伺いいたします。

伴走型支援は数回にわたる支援ではなく、一人にならずにつながり続けることが目的とされています。

先日、会派視察で訪れた小郡市の産後ケア施設ではデイサービス7回、ショートステイ7回までのサービスがあり、産後のお母さんたちにとって大変好評な事業です。

今後、小郡市では、福祉センターを居場所づくりにしていきたいと考えているそうです。

産後のデイケアサービスでは、社会的孤立を経験した女性たちを専門職の方々につなぐ役割があります。

社会的孤立は、週一回未満から、健康リスクになりうると言われております。

こども家庭庁のこどもの貧困対策に関する大綱には、子育て中の親子が気軽に集い総合交流や子育ての不安や悩みを

相談できる地域子育て支援拠点の設置を促進することで孤立した育児にならないように支援を行うと記されており

項目4 伴走型支援に父親交流会や、悩み相談ができる仲間づくりの場を求められています。居場所づくりについて本市はどのようにお考えかお聞かせください。

[答弁]

はじめに、こども基本法を市政に反映するか、今後発表される予定のこども大綱や県計画策定方針などを鑑みて、第3期筑紫野市こども子育て支援事業計画を策定し、
子育て支援施策を総合的に推進してまいります。

次に、こどもの意見をどのように徴収するかについてですが、先般、こども家庭庁よりこども若者、子育て当事者の意見反映に関する通知がありました。

こども子育て会議などを通じて多方面へ呼びかけると共に、第3期こども子育て支援事業計画の策定においても検討してまいります。

次に、伴走型支援の今後についてですが、伴走型支援の一環として今年度より開始した産後ケア事業があります。

産後ケア事業は三つの事業形態がありますが、本市では訪問型から開始しております。まずは訪問型の事業評価を行い、課題の改善策を検討するとともに、

近隣市の事業評価や自宅施設の移行なども参考にしながら、通所型や宿泊型についても検討してまいります。

次に、父親交流会や悩み相談ができる仲間づくりの場についてですが、対象を限定しない子育て講習会や子育てサロンの他、父親向けの子育てサロンやパパのための
育児講座も開催しております。

また、悩み相談ができる仲間づくりについては、保護者が地域で孤立することなく安心して子育てを行うためにも大変重要と認識しております。

そのため、子育て支援センターなどによる子育てサロンの開催や、子育て支援コーディネーターによる地域の子育てサロン支援により、身近な地域で仲間づくりができるよう努めてまいります。

なお、総合相談窓口として子育て世代包括センターを設置しており、あかちゃん訪問や子育てサロンなどを利用される中で相談も多くありますので、

引き続き、妊娠期からの切れ目のない支援体制を推進し、子育て支援関係者が連携して親子を支え、保護者が地域で安心して子育てできる環境づくりに努めてまいります。

[再質問]

こども子育て支援事業計画には、子育て支援のネットワークづくりや、切れ目のない支援にも重点的に取り組むことが明記されておりますので、

こども子育て支援事業計画には、子育て支援のネットワークづくりや、切れ目のない支援についても重点的な取り組みとして明記されておりますので、

こども家庭庁が示す、こども及び養育者の意見徴収とその実現に積極的に取り組んでいただき、さらなる筑紫野市の子育て支援の充実を期待しています。

こどもの貧困対策

こども家庭庁のこども貧困対策大綱には、4つのポイントがあります。それは、貧困の連鎖を断ち切り、すべてのこどもが夢や希望を持てる社会を目指すこと、親の妊娠から出産期、こどもの社会的自立までの切れ目のない支援体制を構築すること、支援が届いていないまたは届きにくいこども家庭に配慮して対策を促進すること、地方公共団体による取り組みの充実を図ることです。これらを鑑みた事業を福岡市は、福岡市子ども習い事応援事業として展開しています。この事業は、事業者に登録制度を設け、月謝やユニホーム代などに1万円クーポンを助成することで、こどもたちだけでなく、福岡県内で活躍する事業者の支援にもなります。幼少期に学んだことは、将来的にも大きな影響を与えます。また学校教育においても全てを学校で担うことは難しいため、本市では次世代を担う人材育成のため、学ぶ意欲のあるこどもたちを支援すべきだと考えますが、

項目1: 学ぶ意欲のあるこどもたちに対して現在どのような支援が行われているのか、そして今後の展望についてお聞かせください。

[答弁]

学ぶ意欲のあるこどもへの支援についてですが、子どもの貧困対策に関連するものとして、以下の取り組みを行っています。

  • 教育の支援
  • 生活の支援
  • 保護者に対する就労の支援
  • 経済的支援に関する事業

小学生以上のこどもに対しては、学校教育による学力保証のほか、修学援助制度や少額資金貸与制度などがあります。

ただし、現時点では習い事や塾代を助成する制度についての実施予定はありません。

今後については、引き続き筑紫野市子ども・子育て支援事業計画および筑紫野市教育振興基本計画に基づき、事業を推進していくとともに、幅広い地域住民や団体などの参画を得て、地域全体で次代を担うこどもたちの学びや成長を支えるための機運を醸成してまいります。

こども家庭庁の発足により、こどもを一人の人として尊重する新たな風が吹いてきたと感じている方も多いのではないでしょうか?

その追い風となるのが、私たち自治体です。一人ひとりの希望を実現するためには、学びも重要です。今後の取り組みに期待して、私の一般質問とさせていただきます。

© 2023 春口あかね